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GPS(ジーピーエス)は衛星測位システムのひとつです。
最近ではスマホにも搭載されている機能のためとても身近になりました。
ただし厳密にいうと、GPSはアメリカが運用しているグローバル衛星測位システムのことを指しており、ほかにも世界中で測位衛星は運営されています。
例えばロシアの「GLONASS」、ヨーロッパの「ガリレオ」のほか、中国の「北斗」インドの「IRNSS」などがあり、日本の測位衛星は「みちびき」です。
日本のスマホユーザーの多くは、衛星測位システム=GPSと勘違いしている人も少なくありません。
とはいえ最初に運営された測位衛星がGPSなので、今でも代名詞的に使われるのはもっともでしょう。
実際には世界中に衛星測位システムがあり、システム全体を指す言葉は「GNSS」(Global Navigation Satellite System)といいます。
GNSSには受信時刻の数ミリ秒の誤差を補正するため、4つ以上の衛星が必要です。
受信機からいつでも4つの衛星が見える状況なら正確です。
しかし、信号をうまく受けられない衛星があると、数十メートルから数百メートルもの大誤差が発生しやすくなります。
GNSSの原理を簡単に説明しましょう。
衛星はもちろん宇宙空間にありますが、そこからの信号を受けるのは地上の受信機です。
基本的に受信できる機能があればどれも受信機といえます。
そのため、スマホや専用のGPSトラッカーなどが受信機にあたります。
位置を測定するには基本4基、最低3基の衛星から信号を受信し、それぞれの時刻の差分と光の速さ(30万km/秒)をかけあわせて距離を割り出すという仕組みです。
それぞれの衛星から信号が交差する地上の1点が、受信機のある位置です。
実は時刻こそが正確に位置情報を求めるために必要なもので、測位衛星では原子時計で正確に求めています。
「最近のGPSは精度が高い」「追跡も凄くなった」という噂を、耳にしたことがある人もいるのではないでしょうか。
なぜそれほどにも高精度になったのか、それはGPSが凄くなったというよりも、前述した日本の測位衛星「みちびき」が凄いためです。
みちびきは、準天頂軌道の衛星をメインに構成しているシステムなので、「準天頂衛星システム」といいます。
みちびきでGPSを補うことにより、さらに高精度な衛星測位サービスを実現しています。
みちびきの初号機が打ち上げられたのは2010年9月です。
現在も4機体制のうち3機は、常にアジア/オセアニアで見える状況を確保しています。
GPSと協働すると高精度な測位が可能で、なんと誤差範囲が数メートル内に収まるほど正確な位置把握が可能です。
みちびきなしのGPSとは比べものにならないほど、素晴らしい性能を発揮できるのです。
GPSは位置情報から対象の追跡も可能ですが、精度が低ければいくら優れたシステムであっても意味がありません。
追跡精度の良し悪しは製品によっても異なり、精度の低いものでは100メートル以上の誤差が出てしまうこともあります。
位置の割り出しは衛星からの電波を使って計算するため、電波の受信精度が落ちれば追跡も難しくなります。
ビル群や、樹木の生い茂る森林といった場所では電波が邪魔され、なかなか成果をあげる追跡ができませんでした。
しかし、みちびきは飛んでいる軌道に特長があり、ほぼ真上に長時間見えるようプログラムされています。
準天頂はほぼ真上という意味なので、まさに準天頂衛星システムという名のとおりです。
2017年6月には、横浜のトライアスロンでみちびきを利用した追跡データの収集実験などもおこなわれました。
一人ひとりを正確に追えるような精度になれば、より幅広い運用がみえてくるでしょう。
(内閣府宇宙開発戦略推進事業局 https://qzss.go.jp/news/archive/triathlon_170606.html)
ちなみに、一般的に使われているスマホのGPS受信機能は、残念ながらさほど精度は高くありません。
悪条件なら300メートル以上もの誤差が生じることもあり、とても追跡できるような精度ではないでしょう。
精度を求めると高価な機器にならざるを得ませんので、現実的にはレンタルをおすすめします。
ここでもしっかりチェックしておきたいのが、「みちびき対応」か否かという点です。
とはいえ前述したとおり、みちびきはあくまでGPSの補助的な役割を果たすシステムです。
「みちびき対応」と記載があっても、GPS互換信号を受信できるという意味では片手落ちとなります。
みちびきには「測位補強サービス」信号が含まれています。
このサービスを活用してはじめて、誤差数メートル以下といった精度の非常に高い測定が可能となります。
これらの信号を受信するにはやはり専用機器が必要ですので、この点は留意しておきましょう。
GPS受信機をレンタルするなら、前述のように、まず「みちびき対応」であることを確かめましょう。
そのうえで、使い勝手のよいものを選ぶのがポイントです。
例えばPCやスマホからリアルタイムに情報確認ができたり、あらかじめ設定したエリアの出入りをお知らせする機能があったりすると便利でしょう。
そしてなにより、バッテリーは大容量であることが重要です。
どんなに優れた機器もバッテリーがなければ動きませんので、忘れずにチェックしましょう。
高精度GPSが必要な際は、ぜひサテナビまでご相談ください。